ニューヨーク(CNNMoney) インターネットにおける個人情報保護をめぐり、米議会下院が既存のルールの撤廃を可決したことに対して強い批判が起きている。
この規定は、オバマ前政権の末期に連邦通信委員会(FCC)が承認したものだ。インターネット接続業者(プロバイダー)に対し、ユーザーの個人情報を収集したり他者に譲渡する場合には本人の許可を得ることを義務づけていた。
下院は28日、同ルールの撤廃を共和党の賛成多数で可決していた。
プライバシー保護派や消費者保護団体、それにハイテク業界はそろって今回の議会の決定を攻撃。ニューヨーク・タイムズの社説も、保守派メディアのブライトバート・ニュースのコメンテーターも珍しく足並みをそろえている。
「これはオバマ時代の規制の中で存続すべき非常に数少ないものの1つだ」と、ブライトバートのコメンテーターは28日夜に書いた。
人権団体「ファイト・フォー・ザ・フューチャー」は、撤廃案に賛成した議員たちを名指しした大看板を複数、立てる計画を立てている。
ハイテク業界はトランプ大統領の就任後、ネット中立性といった問題ではあまり目立った反応を見せていなかったが、今回は失望を隠していない。
ツイッターの法務責任者ビジャヤ・ギャッド氏は「VPNを自宅で使うときが来た」とツイート。VPNとは「バーチャル・プライベート・ネットワーク」の略で、ネット上で身元を明らかにしないためのツールの1つだ。
上院はすでに先週、ルールの撤廃を共和党の賛成多数で可決しており、あとはトランプ大統領の署名があれば成立する。ホワイトハウスは28日、撤廃を「強く支持する」と明らかにしている。