(CNN) 米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン元国務長官は28日、米カリフォルニア州サンフランシスコで行われた会合で講演し、去年の大統領選に敗れて以降では最も政治的なコメントを発した。
会合は同州の働く女性を支援する団体が毎年開いているもの。クリントン氏が「わたしがいたいと思う場所は、皆さんとともにあるこの会場をおいて他にない」と発言し、その後に「ただしホワイトハウスを別にすれば」と付け加える場面もあった。
基調講演ではトランプ米大統領や共和党への批判も織り交ぜながら、主に女性の平等について言及。「私が望み、目標とした選挙結果でなかったことは明白だが、父や母が仕事を続けることを可能にする常識的な社会福祉について支持の声を上げるのをやめるつもりは全くない」述べた。
クリントン氏は公的な会合でのわずかな発言やツイッターの個人アカウントからの投稿を除くと、大統領選以降はおおむね表舞台での言動を控えてきた。
今回の講演では共和党による医療保険制度改革( オバマケア)代替の試みについて、「悲惨な法案」と形容。トランプ政権は「大規模な抵抗に遭っている」と付け加え、政策への抗議が始まったばかりであることを示唆した。
また職場における女性の包摂や多様性、民間セクターがさらなる女性進出に向けて取り組みを強化することの必要性といった問題にも焦点を当て、「女性や女の子の権利と機会の推進は21世紀の未完の大きな課題だ」と述べた。
さらにホワイトハウスのスパイサー報道官とフォックスニュースの司会者が28日、それぞれ黒人の女性ジャーナリストと女性議員に対し人種的な意味合いを帯びた発言を投げかけたことについても反応した。
ただ全体的には、トランプ氏の勝利を前にしても楽観的な姿勢を示し、大統領就任演説でのトランプ氏の表現に言及して「虐殺の暗いビジョンを見る人もいるが、私には創造性や活躍の機会に光が当たるのが見える」と述べた。