腐った肉の流通で業者摘発、各国が輸入停止 ブラジル

エア・インディアが国内線の機内食の一部から肉類を「排除」

2017.03.23 Thu posted at 13:45 JST

ニューヨーク(CNNMoney) ブラジルで検査官を買収して腐った肉やサルモネラ菌に汚染された肉を流通させていたとされる業者が摘発され、日本や中国、メキシコ、チリ、欧州連合(EU)などが相次いでブラジルからの食肉輸入を規制する措置を講じている。

この事件ではブラジルの複数の食肉加工業者が検査官に賄賂を渡して腐った肉などを認可させていたとして、警察が17日に大がかりな捜索を行っていた。

事態の発覚を受けてブラジル政府は食肉加工場3カ所を閉鎖させ、21カ所の輸出免許を取り消した。

EUはこの事件にかかわったすべての加工場からの食肉輸入を禁止。中国とチリ、香港はブラジルからの食肉輸入を全面的に停止した。

ブラジルは世界でも有数の食肉輸出国で、昨年の輸出総額は126億ドル(約1兆4000億円)。食肉輸出団体によると、食肉加工業界には600万人が就労している。

肉料理を食べて安全性をアピールするテメル大統領=ブラジル政府提供

問題が発覚したのは鶏肉が中心だが、安全を期してブラジルからの食肉輸入を一時的に全面禁止する国も相次いでいる。

ブラジル警察は17日の時点で、問題の肉の一部が公立学校の給食に使われたほか、一部はイタリアとスペインに輸出された形跡があると説明していた。連邦政府の検査官は30人以上が捜査の対象になっている。

テメル大統領は懸念を払拭してもらおうと、食肉を輸入している国の大使をステーキハウスに招き、ブラジルの衛生基準は「非常に厳しい」とアピールした。政府は警察が捜査に乗り出したことを制度が機能している証と位置付け、韓国がブラジルからの食肉輸入制限を撤回したことも評価している。

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