米退役大将ら、国務省の「防衛」に集結

米国務省の「防衛」に退役将校が立ち上がった

2017.03.22 Wed posted at 18:02 JST

ワシントン(CNN) 退役した米軍の大将や中将が21日、トランプ政権が示す国務省の予算の大幅削減を阻止するためにワシントンに集まり、議員らの説得に動いた。

トランプ政権は2018会計年度(2017年10月~18年9月)の予算案で、軍事費を540億ドル(約6兆円)増やす一方、国務省の予算を110億ドル削減しようとしている。前年度比28.7%に及ぶこの減額では援助や開発基金が主な対象となっている。

04~07年にイラクで指揮官を務めたジョージ・ケーシー退役陸軍大将は、外交、援助、開発への投資を減らすことは究極的には米国をより安全でない状態に追いやることになるとの見解を示す。

「これを単にいいことだと考えないことが重要だ」「(外交は)国家の安全保障政策上の重要なツールだ」

ケーシー氏は07~11年、アフガニスタンでも陸軍参謀総長の任に就いた。「我々はイスラム過激派との長期に渡るイデオロギー上の戦いにあり、こうしたグループを生む不安定さが我々の敵だと考えるようになった」「豊かさをはぐくみ、自国を守る能力を高めることが安定につながる」とケーシー氏は述べる。

トランプ政権が示した予算案では国務省の予算が大幅減額に

ケーシー氏のほか10人ほどの大将や中将が共和党、民主党を問わず上下両院の議員を訪問。予算を取り扱う歳出委員会の委員の元にも訪れた。

この訪問を実現した非営利組織(NPO)、USグローバル・リーダーシップ・コアリションは先月、120人の退役将校を集め、外交や開発予算の削減案に抗議の意思を示す署名を集めた。国務省の予算は「米国の安全を保つために不可欠だ」とするこの文書には、元CIA長官のデービッド・ペトレイアス退役大将や、北大西洋条約機構(NATO)最高司令官を務めたジェームズ・スタブリディス退役大将も署名した。

ケーシー氏や他の退役将校は開発や外交が軍隊の仕事を減らしてくれると指摘する。現国防長官のジェームズ・マティス氏も過去に同様の見解を示している。

ケーシー氏はまた、「軍隊にとっても最も難しいのは、軍事的手段では解決できないことへの対処に迫られることだ」との認識も示す。

「もし軍人として9・11(米同時多発テロ)以降に何かを学んだのだとしたら、それは我々が現在直面している課題は純粋な軍事的解決策に必ずしも適さないということだ」「軍事も、外交も、開発も必要とする――これが教訓だ。今日成功するにはその全てが必要だ」

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