(CNN) タイで硬貨915枚を飲み込んで摘出手術を受けたウミガメが21日、感染症のため大学病院で死んだ。
死んだ25歳のメスのアオウミガメは、観光客が幸運を願って池に投げ入れる硬貨を大量に飲み込んでいたことから、現地の言葉で「貯金箱」を意味する「オムシン」と命名されていた。
バンコクにあるチュラロンコン大学の獣医師チームは今月6日、7時間かけてオムシンの胃の中から約5キロ分の硬貨を取り出す手術を実施し、術後は順調に回復しているように見えたという。
主治医はフェイスブックの投稿で、「1週間は普通に泳いで餌を食べていた。23日には池に戻す予定だった」と説明している。
しかし19日夜になって呼吸が極端に遅くなり、腸の重い感染症のため集中治療室に運ばれた。20日に緊急手術を受けたが昏睡(こんすい)状態に陥り、21日午前、死んだという。
医師はCNNの取材に対し、「最善を尽くしたが、衰弱が激しく、血液毒性など複数の合併症が重なって、助けることができなかった」と話している。
フェイスブックには「友達でいてくれてありがとう」と書き込んでオムシンの最後の数日間の写真やビデオを投稿し、「安らかに」と書き添えた。
投稿は何千回も共有され、オムシンのニュースがタイの人の心をとらえた様子をうかがわせる。タイではウミガメは長寿の象徴とされる。
ロイター通信によれば、医師団はオムシンを解剖してウミガメの生態への理解を深め、今後の治療に役立てる意向だという。