ロヒンギャ迫害、ミャンマーで「人道犯罪」の恐れ 国連報告

バングラデシュ東部に逃れてきたロヒンギャたちの暮らす難民キャンプ

2017.03.21 Tue posted at 17:14 JST

(CNN) ミャンマー西部ラカイン州で少数派のイスラム教徒、ロヒンギャへの人権侵害が指摘されている問題で、国連の李亮喜(イヤンヒ)特別報告者が20日、CNNとのインタビューに応じ、現地で起きていることは「人道に対する犯罪」に当たる可能性があると訴えた。

李氏は最近、ラカイン州を訪れたばかり。この地域は昨年10月以降、報道陣や支援団体の立ち入りが厳しく制限されている。

同氏はCNNに「7万7000人が故郷に全てを残して逃げ出している。国際社会は行動を起こすべきだ」と強調した。

高齢の男性たちが泣き崩れ、目の前で一族を殺されたと訴える姿を見た時は、本当に心が痛んだという。

家などが焼き払われたミャンマー西部ラカイン州の様子

ラカイン州では昨年10月、300人規模の武装集団が兵士や警官を襲撃する事件が発生。軍は犯行組織に対する掃討作戦と称して数百人を拘束し、攻撃ヘリを送り込んだり、村落を焼き払ったりしてきた。

家を失ったり親族を殺害されたりした住民らは、危険を冒して隣国バングラデシュへ逃げ込んでいる。

人権団体からは「ジェノサイド(集団虐殺)」ではないかとの声も上がっている。

李氏は現時点でジェノサイドという言葉は使わないと述べる一方、人道犯罪に相当するかもしれないとの見方を示した。

この問題への対応が不十分だと批判されている事実上の政権トップ、アウンサンスーチー国家顧問にも、もっと声を上げるべきだと呼び掛けた。

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