トルコ大統領が虐殺の「原因」と名指し オランダ猛反発

トルコのエルドアン大統領。今度は、ボスニアの虐殺について「オランダ人のせい」と発言した

2017.03.15 Wed posted at 16:27 JST

(CNN) トルコの閣僚がオランダへの入国を拒否された問題を発端に両国が対立を深めるなか、トルコのエルドアン大統領は14日、ボスニアで1990年代に起きた「スレブレニツァの虐殺」はオランダ人のせいだと発言し、オランダ側の猛反発を招いた。

ボスニア東部のスレブレニツァではボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期の95年、8000人のイスラム教徒がセルビア人部隊に虐殺された。同市は当時、国連の「安全地帯」に指定され、平和維持活動(PKO)のためにオランダ軍部隊が駐留していたが、虐殺を阻止することはできなかった。

エルドアン氏は首都アンカラでの演説で「オランダ人のことはスレブレニツァの虐殺で知っている。かれらがスレブレニツァの人々をどのように虐殺したか、よく知っている」などと語り、聴衆から拍手を浴びた。

これに対してオランダのルッテ首相は、国内テレビ局とのインタビューで「おぞましい歴史の改ざんだ」と強い反発を示し、「(エルドアン氏は)限度を超えた言動を続けている。信じがたいほどの下劣さだ。同じレベルになり下がるのはごめんだ」と、怒りをあらわにした。

オランダで演説を予定していたトルコ外相が入国を拒否されたことをきっかけに、エルドアン氏がオランダ政府をナチスに例えて非難し、ルッテ氏が謝罪を求めるなど、両国の関係は悪化の一途をたどっている。

トルコ政府は13日、オランダとの高官レベルの関係を停止すると発表した。

オランダでは15日の総選挙で、移民排斥や反イスラムを掲げる極右、自由党(PVV)の躍進が予想されている。トルコとの対立は、PVVにとってさらなる追い風となる可能性がある。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。