PM2.5の健康被害、ビタミンBで緩和か 最大76%減

ビタミンBが大気汚染による健康被害の緩和につながる可能性があるという

2017.03.15 Wed posted at 11:34 JST

(CNN) 大気汚染による健康被害はビタミンBで抑制できる可能性があるという調査結果が15日までに明らかになった。国際研究チームが発表した。

研究チームは大気汚染の原因となる微小粒子状物質「PM2.5」による健康被害について調べ、ビタミンBのサプリメントを毎日服用すれば、PM2.5が人体に及ぼす影響を低減できる可能性があることが分かったとして学術誌に発表した。ただしこの研究はまだ初期段階で、被験者の数も少ないと強調している。

PM2.5を吸引すると、肺などが炎症を起こす恐れがあり、細胞が変異を起こして健康を損なう可能性も指摘されている。

実験では被検者10人を対象に、まず4週間にわたって偽薬を服用してもらった後、大気汚染がひどいカナダ・トロントの大気を、酸素マスクのようなフェイスマスクを使って吸引してもらった。

続いて同じ実験を繰り返し、今度はビタミンBのサプリメントを毎日服用させた。サプリメントの成分は葉酸2.5ミリグラム、ビタミンB6が50ミリグラム、ビタミンB12が1ミリグラムだった。

その結果、ビタミンBのサプリメント服用を4週間続けると、PM2.5によるダメージが28~76%減ることが分かったという。

米コロンビア大学の研究者はこの結果について、「特に大気汚染がひどい地域では、喫緊に検証を行ってビタミンBを使った予防介入措置を開発し、健康被害を抑制する必要がある」と提言する。

それでも大気汚染対策では当局による規制が鍵を握ることに変わりはない。加えてマスクの着用や空気清浄機の利用といった自衛策を講じる必要があると、香港城市大学の研究者は強調している。

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