トルコ、オランダと高官レベルの関係停止 大使締め出しも

トルコのチャブシオール外相

2017.03.14 Tue posted at 12:13 JST

(CNN) オランダで演説を予定していたトルコのチャブシオール外相が入国を拒否された問題をめぐり、両国の関係が悪化の一途をたどっている。トルコ政府は13日、オランダとの間で「高官レベルの関係」を停止する方針を示した。

クルトゥルムシュ副首相が首都アンカラで発表した。一時的に出国している駐トルコ・オランダ大使の再入国を認めないとも表明した。

チャブシオール氏は先週、オランダ西部ロッテルダムの政治集会で演説する予定だった。憲法改正案をめぐる来月の国民投票に向け、投票権を持つ在外トルコ人に支持を求める呼び掛けの一環だったが、オランダ当局に搭乗機の着陸を拒否された。オランダ側は、「公共の秩序と安全を守るための措置」と説明した。

続いてトルコ家族相がオランダ入りしたものの、ロッテルダムのトルコ総領事館に入るのを阻止されて追い返された。現地ではトルコ系住民による激しい抗議運動が起きた。

チャブシオール氏は13日、CNNとのインタビューで、なぜ自分がテロリスト扱いされているのか、トルコ人はテロリストなのかと問い掛けた。オランダ側が指摘する治安上の問題とは何だったのか、同国から詳しい説明はないと述べ、「本当の理由を隠すための口実にすぎない」と非難した。

一連のオランダ政府の対応を受けてロッテルダムのトルコ領事館前ではデモが発生

そのうえで、オランダなど欧州諸国で人種差別やイスラム恐怖症、外国人嫌悪の感情が強まっていることが問題だと語った。また、大統領権限の強化などを柱とするトルコの憲法改正へ向けた動きを、欧州諸国が「妨害」しようとしているとも主張した。

チャブシオール氏の訪問が拒否されたことに対し、エルドアン・トルコ大統領はオランダ政府をナチスに例えるなどして強く反発。オランダのルッテ首相はこの発言を非難して謝罪を求めた。

オランダのクーンデルス外相は13日にCNNとのインタビューで、国民投票に向けてトルコ政府のメンバーが今オランダ国内でキャンペーンをすることはできないと発言。チャブシオール氏と週末に電話会談し、ナチスの発言は侮辱的だと伝えたと語った。

オランダ当局は13日のツイートで、トルコに滞在する自国民に対し、デモ集団を避けて慎重に行動するよう呼び掛けた。

一方、チャブシオール氏は「我々はオランダ人を襲ったりしない。かれらの過ちではないからだ」と強調した。

オランダが着陸拒否、トルコ外相に聞く

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