（ＣＮＮ） 韓国の大統領を罷免された朴槿恵（パククネ）氏が１２日、青瓦台（大統領府）を出てソウル南部の私邸に移った。同氏の広報担当者が明らかにした。
朴氏は「大統領としての職務を最後まで全うできなかったことを申し訳なく思う」とする声明を発表。「私を支持し、信じてくれた人たちに感謝する」「私は全ての結果を受け入れる。時間はかかるだろうが、真実は必ず明らかになると確信している」と述べた。声明は私邸前に詰めかけた支持者を前に、ミンギョンウク議員が代読した。
韓国の憲法裁判所は１０日、国会で可決された朴大統領の弾劾（だんがい）を支持する決定を言い渡し、同氏は即日失職していた。
朴氏の私邸前に集まった支持者は多くが涙ぐみ、「弾劾を取り消せ」などと叫んで支持を表明した。警察は引き続き警戒に当たっているが、１０日のような暴動は起きていない。
「韓国を再び偉大にしたい」と語ってトランプ氏の大統領選キャンペーンの旗を振る人も
北朝鮮の朝鮮中央通信は１１日、朴氏について「理解不能で常軌を逸した狂気の人物」と形容し、「朴槿恵の壊滅的な終焉は、国民の正義の歴史的勝利だ」と伝えた。
朴氏率いる保守政権は、これまで北朝鮮に対して強硬姿勢を取ってきた。これに対して左派系の野党は、北朝鮮との融和的な関係を追求する可能性を示唆している。
検察は１３日にも朴氏からの事情聴取を開始する見通し。韓国のＹＴＮテレビによれば、朴氏は出国を禁止される可能性もある。
専門家の予想では、次期大統領を選ぶ選挙は５月９日に行われる見通し。朴氏率いる保守系の与党、自由韓国党は１２日、候補者を３月３１日に発表すると表明した。しかし与党に対する支持率が低下する中、左派が有利に展開する公算は大きい。