メキシコからの不法越境、40%減少 「トランプ効果」か

メキシコからの不法越境が激減した

2017.03.12 Sun posted at 16:54 JST

ワシントン(CNN) 米税関・国境警備局は12日までに、メキシコから米南西部への不法越境は今年2月、前月比で40%の激減を示したとの最新データを公表した。

トランプ米大統領が宣言する国境の壁建設など強硬な不法移民対策が抑止効果を及ぼしている可能性がある。この種のデータ収集を2000年から始めた税関・国境警備局によると、2月の数字は通常なら10~20%増を示す。今回の減少は約20年間続いた流れが初めて止まったことを意味する。

2月に国境線で拘束もしくは米国内への侵入を阻止されたのは計1万8762人。1月は3万1578人だった。

トランプ氏の強気な不法移民対策の喧伝(けんでん)が不法侵入の試みを押さえる永続的な効果を持つのかには今後数カ月間の動向分析が必要だ。侵入は冬季に減り、春季に増える傾向がある。

米国土安全保障省のケリー長官は侵入行為が増えていた昨年10月から年末にかけてのデータを踏まえ、2月の数字を「励みとなるニュース」と形容。「トランプ大統領が1月20日に就任した後、米国は劇的な減少を目撃している」とも述べた。

また、拘束などされた侵入者数の低下は不法越境を試みる者の減少を意味するとも指摘した。さらに、侵入の手引き役が不法密航者に請求する手数料が増加していることにも注目。一部地域では3500ドル(約40万円)から8000ドルの水準になっているとした。

大統領選後にはパトロール要員の増員も行われていた

米税関・国境警備局の最新データによると、国境線周辺の拘束は全ての形態で減少を記録。特に家族ごとや単独の未成年者による密航の企ての落ち込みが目立ち、それぞれ66%減と55%減となった。

1月の拘束件数などは全体で約30%減り、未成年者と家族はそれぞれ約40%減だった。ただ、これらの下落幅は前年同月に比べ少なかったとしている。

米大統領選の終了後、政府はメキシコとの国境線に要員150人を追加し、拘束者の増加に対処させた。この処置が功を奏したのか、昨年10月の拘束件数は過去5年の最高水準近くまで達していた。今年2月の場合は、過去5年の最低水準近くに迫っていた。

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