入国禁止の米大統領令、ワシントン州も差し止め請求

ワシントン州のファーガソン司法長官

2017.03.10 Fri posted at 10:10 JST

(CNN) イスラム圏6カ国から米国への入国を禁止するトランプ大統領の新大統領令について、ワシントン州のファーガソン司法長官は9日に記者会見し、連邦裁判所に執行差し止めを申し立てる意向を表明した。申し立てを行うのはハワイ州に続いて2州目。

ファーガソン司法長官は新しい大統領令について、大幅な変更が盛り込まれたものの、依然として法的欠陥があると主張。最初の大統領令に比べれば影響は狭まったとしながらも、「これは実質的なイスラム教徒に対する禁止令だ」と訴えた。

マサチューセッツ、ニューヨーク、オレゴンの3州の司法長官も、申し立てに加わる意向を確認している。ミネソタ州は最初の大統領令でワシントン州とともに執行停止を求める訴訟に加わっている。

入国禁止の大統領令を巡っては、連邦地裁のジェームズ・ロバート裁判官が2月3日、全米で執行を差し止める仮処分命令を言い渡した。

これを受けてトランプ大統領が3月6日に署名した新しい大統領令では、イスラム教国6カ国の市民については90日間、難民については120日間、米国への入国を禁止するとした。ただし既に永住権や有効なビザを持っている人は対象外となる。

新大統領令はイスラム教国6カ国の市民を90日間入国禁止に

入国禁止の対象となる国は当初の7カ国から、イラクを除外した6カ国に減らされた。それでも「文言は実質的に変わらない」とファーガソン司法長官は述べ、「中核的な条項に依然として憲法上の問題がある」との見解を示した。

その上でファーガソン司法長官は、最初の大統領令の執行を停止させたロバート裁判官の仮処分命令は、新しい大統領令の施行にも適用されるはずだと主張している。

これに対して司法省は6日、ロバート裁判官の仮処分命令について、新しい大統領には適用されないと主張する意見書を提出した。

ワシントン州は訴えを通じて引き続き、大統領令がイスラム教徒に対する差別に当たるという主張を展開する。

一方、ハワイ州も執行差し止めの仮処分を求めて連邦裁判所に申し立てを行っている。裁判所は、大統領令が発効する16日の前日の15日に審理の期日を設定した。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は9日、大統領令は合法だと強調し、執行へ向けた自信を示した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。