トランプ氏、入国禁止の新大統領令に署名 イラクは除外

トランプ米大統領が入国禁止の新大統領令に署名した

2017.03.07 Tue posted at 12:30 JST

ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は5日、イスラム教国6カ国から米国への入国を禁止する新しい大統領令に署名した。1月の大統領令で対象としていた7カ国のうちイラクを除外。難民の入国は一時的に全面禁止とする措置を改めて打ち出した。

1月の大統領令は全米の空港で混乱状態を引き起こし、米連邦裁判所が効力を停止させていた。

新しい大統領令は16日に発効予定で、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの6カ国の市民について、最低でも90日間、ビザの発給を停止する。米政府高官によると、6カ国の市民であっても、米国の永住権や正規のビザを持つ人は、1月の大統領令でビザが無効になった人も含めて、入国禁止の対象外とする。

難民については120日の間、受け入れを中止し、米当局に対して審査の強化を指示する。

1月の大統領令ではシリア難民の受け入れを無期限で停止し、出身国で少数宗教に属する難民は受け入れを優先するという条項を盛り込んでいたが、新しい大統領令からはこの条項が削除された。少数派宗教の優先条項に対しては、宗教が入国審査の条件とされ、キリスト教徒がイスラム教徒より優先される恐れがあるとして批判の声が出ていた。

セッションズ司法長官は5日、「我々が審査を行うために必要な情報を出身国の政府が提供できない、または提供する意思のない場合、あるいはそうした政府が積極的にテロリズムを支援している場合、そうした国からの訪問者の入国を許可することによって、我が国の安全をないがしろにすることはできない」と強調した。

セッションズ司法長官は新大統領令を合法かつ適切な権限行使だと強調

トランプ大統領はこの日、当初の予定より3週間以上遅れてホワイトハウスで大統領令に署名した。報道陣には取材させず、署名するトランプ大統領の写真をスパイサー報道官がツイッターに投稿した。ホワイトハウスは先週、比較的好感度が高かったトランプ大統領の議会演説に水を差すのを避けるため、大統領令への署名を先送りすることを決めていた。

イラクの除外については、同国首相などが入国禁止対象からイラクを外すよう、働きかけを強めていた。

ティラーソン国務長官はイラクを除外した理由について、国務省がイラク政府と協力し、イラク市民に対する審査を強化したことを受けた措置と説明。「米国はこうした緊密な連携を歓迎する」「改訂後の大統領令によって、米国と同盟国の安全が強化される」と語った。

セッションズ司法長官は今回の大統領令について、「最初の大統領令と同様に大統領の権限が合法的かつ適切に行使されたと確信している」と強調した。

一方、野党民主党の議員は今回の大統領令を「イスラム教禁止令2.0」と命名し、最初の大統領令が繰り返されたにすぎないと批判している。

米トランプ大統領、入国禁止の新大統領令に署名

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