「前代未聞」、10日間に8人の死刑執行へ 米南部

アーカンソー州で来月、10日間で8人の死刑執行が予定されている

2017.03.07 Tue posted at 12:05 JST

(CNN) 米南部アーカンソー州で来月、10日間の間に受刑者8人に対して薬物注射による死刑が執行される予定であることが7日までに分かった。州知事室が明らかにした。4月17日から27日にかけて、4度、2人ずつ死刑を執行するという。アーカンソー州では11年にわたり死刑が執行されてこなかった。

死刑執行について監視している団体によれば、この短期間にこれだけ多くの死刑が行われるのは米国では「前例がない」という。

死刑情報センターの幹部、ロバート・ダナム氏によれば、1977年に死刑制度が復活して以降、1カ月のあいだに8人の死刑が執行されたことは2度だけあった。いずれも、テキサス州で1977年の5月と6月だという。しかし、ダナム氏によれば、10日間で8件の死刑執行をした州はないという。

現在米国では31の州に死刑制度が存在する。薬物注射は死刑執行の主要手段となっている。2016年に米国で執行された死刑の数は25年ぶりの低水準だった。

アーカンソー州での死刑廃止を目指す団体ACADPは声明で、10日間に8件の死刑執行を計画していることについて「憤慨」していると述べた。

白く塗られた19の州と首都ワシントンには死刑制度はない

受刑者の代理人も死刑執行を阻止しようとしているという。

3人の受刑者の代理人を務めるジェフリー・ローゼンツワイク氏は、死刑執行の時に、囚人の意識を失わせるために使われる薬剤「ミダゾラム」について、効果が十分でなく囚人に苦痛を与えていると指摘。残虐な刑罰を禁じた憲法修正8条に違反しているという。

ローゼンツワイク氏はまた、以前認められた死刑執行の停止についても説明を求める考えを明らかにした。

9人の受刑者は連邦最高裁に対し、アーカンソー州最高裁が刑執行の手順の要点をまとめた規則を支持した判断について審理を行うよう求め、執行が停止されていた。しかし、先ごろ、最高裁は審理を行わないことを決めた。これを受け、州司法長官は死刑再開への道筋が開かれたとの見方を示していた。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。