環境汚染で毎年170万人の子どもが死亡 WHO報告

大気汚染や不十分な衛生設備、不衛生な生活習慣といった環境汚染で170万人の子どもが死亡している

2017.03.06 Mon posted at 14:40 JST

(CNN) 環境汚染が原因で死亡する子どもは世界で毎年推定170万人に上ることが、6日発表の世界保健機関(WHO)の報告で明らかになった。

生後1カ月から5歳までの乳幼児のうち、4人に1人が環境汚染で命を奪われることになる。

環境汚染にかかわる死因としては飲み水の汚染や不十分な衛生設備、不衛生な生活習慣、大気汚染や屋内の空気汚染などが挙げられる。

報告によると、一般的な死因の多くは、各地域で現在実用化されている対策によって防ぐことが可能だという。たとえば下痢やマラリア、肺炎は、殺虫効果のある蚊帳や調理用燃料のクリーン化、安全な水の確保などで予防できる。

WHOのマーガレット・チャン事務局長は声明で「環境汚染は特に幼い子どもたちにとって、命にかかわる問題だ」「子どもは臓器や免疫システムが発育途上にあり、体も気管もまだ小さいために、汚染された空気や水による影響を受けやすい」と指摘した。

たばこの副流煙などの空気汚染にさらされた子どもたちは、子ども時代に肺炎を起こす危険性が高まるだけでなく、生涯を通じてぜんそくなどの慢性呼吸器疾患や心疾患、脳卒中、がんのリスクが増大する。WHOによれば、世界の子どものぜんそくのうち44%は環境汚染が原因と推定される。

WHOはまた、電子ごみの増加にも懸念を示している。電子ごみが適切に処理されないと、子どもたちが有害物質にさらされ、脳の障害や肺疾患、がんなどの原因となる恐れがあるという。

英サウサンプトン大学の専門家、ジョン・ホロウェイ教授は、環境汚染による健康被害が子ども時代だけでなく生涯続く可能性もあること、開発途上国だけでなく英国のような先進国にも副流煙による空気汚染などの問題があることを指摘。「環境汚染を減らすことは、私たち全員の責任だ」と強調した。

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