干ばつ深刻化で110人死亡、食糧不安620万人 ソマリア

まだ水が残っている北部の川まで長距離を移動してくる人もいる

2017.03.06 Mon posted at 11:08 JST

(CNN) アフリカ東部ソマリアを襲った深刻な干ばつの影響で、餓死したり病死したりする人が相次いでいる。同国首相によると、4日までの2日間の死者は、女性や子どもを中心に少なくとも110人に上っている。

ソマリアはここ数年の降雨量が極端に少なく、干ばつの影響で620万人以上が食糧不安に見舞われ、河川も枯渇して水不足に陥っている。

同国では2月末、ファルマージョ大統領が全土で干ばつによる非常事態を宣言していた。110人の死亡は、特に干ばつが深刻な南西部のベイ地域で確認された。国内の他の地域の犠牲者数については現時点で分かっていない。

首相府はソマリアの状況について、人と家畜の生命が脅かされる人道危機状態にあると指摘。人や家畜が飢えと下痢性疾患による死の瀬戸際にあると述べ、「飢えと水不足のために死にかけている何百万というソマリア人の命を救うため、干ばつ対策に貢献してほしい」と企業や国民に呼びかけた。

干からびてしまった川も

国連のソマリア担当人道問題調整官は先に、「直ちに干ばつ対策を強化しなければ、生命が失われ、家畜の被害が広がり、国家建設や和平構築を目指す取り組みが挫折しかねない」と訴えていた。

国連食糧農業機関(FAO)によると、ソマリアで食料などの援助を必要とする人は、昨年9月の500万人から、人口の半分以上に当たる620万人に増加した。

国連によると、同国では2010~12年にかけても約25万8000人が飢餓のために死亡している。人道援助団体のオックスファムは当時、「国際社会の対応があまりに遅すぎた」と批判していた。

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