北京(CNN) 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の傅瑩(フーイン)報道官は4日の記者会見で、同国の今年の国防予算に触れ、前年比で7%増の水準になることを明らかにした。過去7年では最小の伸び率となっている。
今年の国防予算の規模は国防面の必要性や国家経済の現状などを踏まえて決められたと述べた。国内総生産(GDP)での比率は1.3%。
同報道官はCNNの質問に、「領土論争に介入してくる外部勢力を警戒しなければならない」と主張。「中国の国防能力の強化は地域の平和と安定の維持に寄与する」とも述べた。
中国の昨年の国防予算は15年比で7.6%増の約1460億米ドルだった。伸び率は過去6年で最も緩やかだった。中国の国防費は2010年から15年まで2桁の伸びを示していた。
全人代は5日、11日間の会期で開幕した。
中国は通常、国防予算の支出内訳などの詳細を明らかにしていない。香港大学の政治学・公共行政専攻の准教授は、海軍戦力の発展に重点が置かれる可能性があると指摘した。中国は現在、領有権論争がある南シナ海の軍事拠点化を図る動きを強めており、隣国や米国の警戒心を高めている。
中国の国営紙「環球時報」は先月、国産技術に初めて頼った同国2隻目の空母の建造終了が近く、進水式がまもなく催されると報じていた。配備の開始は2020年までに予想されている。同紙が引用した専門家は、中国が必要とする空母は少なくとも5~6隻としていた。