母子施設跡から多数の遺体、乳幼児や胎児か アイルランド

母子施設跡から多数の遺体が発見された

2017.03.04 Sat posted at 14:05 JST

(CNN) アイルランド西部チュアムで、修道女が1961年まで運営していた未婚の母やその子どもの収容施設から多数の遺体が発見されたことが分かった。当局の調査委員会が3日に明らかにした。遺体は乳幼児や胎児のものとみられている。

この施設を巡っては、地元の歴史家が2014年、跡地に子ども800人の遺体が埋められている可能性があると指摘。高位聖職者からも真相究明を求める声が上がり、調査が進められていた。

調査委員会は声明で、浄化槽に隣接した複数の地下室で発見されたと説明。「委員会は今回の発見にショックを受けている。遺体をこのような形で処理した責任者は誰なのか引き続き調査している」と述べた。

この施設は1925年から61年まで、カトリック関連団体が運営していた。跡地は現在、住宅地の一部になっている。

同委員会によれば、分析用に掘り起こされた少数の遺体を放射性炭素年代測定により調べたところ、遺体は施設が運営されていた時期のものであることが示唆された。一部は50年代にさかのぼる可能性もある。遺体は妊娠35週の胎児から2~3歳の乳幼児のものとみられている。

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは遺体発見の報道を受け、アイルランド政府に対し、同国各地の元母子施設について人権侵害の徹底的な調査を行うように求めた。

アムネスティによれば、母子施設は婚外子の出産が社会的に強く蔑視されていた時代に、国の助成金を受けて宗教団体が運営していた。運営は1980年代まで続けられた。

地元の歴史家、キャサリン・コーレス氏は2014年、CNNの取材に対して、問題の施設で死亡した796人の子どもの埋葬記録が一切ないことは信じられないとの見解を示した。また、同施設に関する1947年の政府の監査報告ではやつれた子どもの描写があったとも指摘していた。

この施設を運営していた修道女の団体は2014年に遺体に関する報告を受け、事実解明の調査に協力すると申し出ていた。

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