仏大統領選のフィヨン候補、公金流用疑惑でも撤退はせず

共和党のフランソワ・フィヨン候補

2017.03.02 Thu posted at 10:55 JST

パリ(CNN) 仏大統領選挙への出馬を表明している中道右派、共和党のフランソワ・フィヨン候補は1日、選挙戦から撤退しない意向を明らかにした。フィヨン氏に対しては、家族を架空に雇用して公金を流用した疑惑による捜査が始まっている。

フィヨン氏は、予審判事から3月15日に召還を受けており、自らが正式な捜査の対象になると述べた。これは、フランスの法制度では起訴に相当する。

フィヨン氏は、「私は辞めない。あきらめない。撤退しない。私は最後まで進む。今、挑戦を受けているのは民主主義だからだ」と述べた。

フィヨン氏は、召還の日程は共和党の足を引っ張るために意図的に設定されたと指摘。自分は「政治的暗殺」の犠牲者だと主張した。

フィヨン氏は昨年11月に共和党の指名を受け、有力候補と考えられた時期もあった。大統領選には極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首や独立系候補のエマニュエル・マクロン前経済相、社会党のベノワ・アモン氏らが出馬、厳しい選挙戦が繰り広げられている。

4月に行われる仏大統領選の有力候補とみられる国民戦線(FN)のルペン党首

正式な立候補には、3月17日までに全国の議員らから500人分の支持署名を集める必要がある。第1回投票は4月23日で、もし過半数を獲得できた候補がいなければ、決選投票が5月7日に行われる。

最近3回の世論調査ではいずれも、第1回投票の勝者はルペン氏で、2位をマクロン氏とフィヨン氏が争う構図になっていた。

疑惑はフィヨン氏の妻と2人の成人した子どもが「議員スタッフ」として計100万ユーロ近い給与を公金から受け取っていたというもの。だが実際には、勤務実態はなかったという。

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