仏研究者、米空港で10時間拘束 送還目前

ホロコーストの研究で知られるアンリ・ルッソ氏

2017.03.01 Wed posted at 11:55 JST

ニューヨーク(CNN) 米国の大学で講演するために入国しようとしたフランスの歴史学者が、テキサス州の空港で10時間にわたり拘束され、送還されそうになっていたことが1日までに分かった。

ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の研究で知られるアンリ・ルッソ氏は先週、テキサスA&M大学での講演に招かれ、ヒューストンのインターコンチネンタル空港に到着した。

しかし入管職員は「観光ビザで講演をしたり、講演料を受け取ったりすることはできない」として同氏を拘束した。米国務省の規定は、観光ビザで入国した外国人が講演することを条件付きで認めている。同氏は条件を全て満たしていた。

大学側の責任者はルッソ氏から「送還される」との連絡を受け、弁護士や仏総領事館に連絡した。同氏はその後、拘束が間違いだったと告げられ、入国を認められた。

同責任者によると、ルッソ氏はこの事態に衝撃を受けている。過去30年の間に何度も米国を訪れたが、入国手続きには何の問題もなかったという。

同氏はエジプトで生まれ、ユダヤ教徒だったため非常につらい思いをして同国を去った。今回の経験でその当時を思い出したと話している。

ルッソ氏は自身のブログで、トランプ米大統領が先週の演説で「パリはもはやパリではない」と述べたことに触れ、「米国はもはや米国ではなくなってしまったようだ」と書いている。

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