ドゥテルテ大統領を批判の議員、麻薬関連容疑で逮捕 比

ドゥテルテ氏を厳しく批判してきたデリマ上院議員が、麻薬取引関与の容疑で逮捕された

2017.02.24 Fri posted at 11:04 JST

マニラ(CNN) フィリピンのドゥテルテ大統領による強硬な麻薬犯罪取り締まりを強く非難していたレイラ・デリマ上院議員が24日午前、麻薬取引にかかわった容疑で逮捕された。同僚議員など支持者は、政治的迫害だとして批判を強めている。

デリマ議員は司法相だった2010~15年にかけ、刑務所内で行われた麻薬の違法取引に加担した容疑がかけられている。有罪判決を言い渡された麻薬密売組織の幹部数人から賄賂を受け取り、服役中の幹部らに違法な麻薬取引を続けさせたという内容。刑務所は司法相の管轄下にある。

裁判所は23日、デリマ議員など3人について、逮捕状を発行するに足る相当の理由があるとの判断を示していた。

フィリピン国家警察はマニラ南部にあるデリマ議員の自宅を訪れ、続いて23日夕刻には、逮捕状が執行されると知って同議員が避難していた上院を訪れた。上院の守衛はデリマ議員の要請に沿って、24日午前の逮捕状執行に同意していた。

同僚議員は性急な展開を遺憾とする声明を発表。ソーシャルメディアではデリマ議員を支持する声が広がり、同僚議員の1人は「政治的迫害に対する憤りの証しとして共有してほしい」と訴えた。

デリマ議員は逮捕状発行の数時間後に記者会見し、自分にかけられた容疑から逃げることはしないと断言していた。麻薬の違法取引については一貫して関与を否定している。

フィリピンのドゥテルテ大統領

ドゥテルテ大統領は昨年6月に就任して以来、麻薬犯罪の強硬な取り締まりに乗り出し、これまでに数千人の容疑者が警察や自警団によって殺害されている。デリマ議員に対しては昨年8月から、同議員が麻薬取引にかかわったと主張していた。

デリマ議員が刑務所内の麻薬取引に直接関与したという容疑については、刑務所に服役している受刑者が証言したとされる。これに対してデリマ議員は、政府が受刑者に圧力をかけてこうした証言をさせたと訴えていた。

司法相時代のデリマ議員は、同刑務所の捜索を行って、服役していた麻薬密売組織幹部のぜいたくな暮らしぶりを暴いていた。そうした受刑者が今回、同議員に不利な証言を行っている。

デリマ議員は、政治的迫害から身を守るために法的措置を起こす構えを示していた。

一方、ドゥテルテ大統領は、この事件は確実に立件できると自信を示し、デリマ議員は報いを受けなければならないと強調した。

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