モスクワ(CNN) バルカン半島のモンテネグロで昨年10月、ロシアが関与するクーデター未遂があったとモンテネグロ側が主張している問題で、ロシア政府は22日、疑惑を否定するとともに両国関係に害を及ぼすと批判した。
モンテネグロのミリヴォイェ・カトニッチ首席特別検察官は、10月に当時のジュカノビッチ首相を暗殺し政府転覆を狙ったクーデター計画にはロシアの情報機関が関与していたとの当局の見方を明らかにした。
カトニッチ氏は地元テレビに19日に出演し、モンテネグロ当局はロシアの連邦保安庁がクーデター未遂に関与した証拠を持っていると語った。
だがロシア政府は疑惑をすぐに否定。さらに22日には、疑惑を裏付ける証拠を見せるよう求めた。
ロシア外務省のザハロワ報道官は記者会見で「当然ながら、モンテネグロ当局も西側メディアもこうした疑惑を裏付けるいかなる証拠も示していない」と指摘。「こうしたことは、ロシアとモンテネグロの関係に深刻なダメージをもたらしつつある」と警告した。
カトニッチ首席特別検察官によれば、クーデター計画は同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を妨害するためのものだという。モンテネグロの加盟は2015年12月に公式に承認されている。
NATOによればモンテネグロの加盟手続きは最終段階に入っているという。
カトニッチ氏は「すでにロシアの複数の国家機関が一定のレベルで関与したことが分かっている」と強調した。
クーデター計画の黒幕とされる1人が、在ポーランドのロシア大使館の武官だった人物だ。この人物は2014年にスパイ容疑でロシアに強制送還されたという。