食糧危機のベネズエラで調査、「食事は1日2回以下」が3割

首都カラカスのスーパーマーケットの前で食料品などを求めて列を作る人々

2017.02.22 Wed posted at 12:00 JST

(CNN) インフレが深刻化し、極端な食料不足に見舞われている南米ベネズエラ。子育て中の母親は、買い物のたびに頭を抱える。季節ごとに最も安く手に入るものは何でも子どもに食べさせ、手に入らないものは次々に代替品に入れ替えるが、1回に食べさせる量は減り続けている。

CNNスペイン語放送の取材に対してこの母親グレシア・ゴンザレスさんは、「家にあるのはアレパ(トウモロコシ粉パン)だけ。それもとても小さい」「私は何も食べなくても構わない。いつも(子どもに)食べさせることだけ考えている」と肩を落とした。

ベネズエラの大学などの調査機関がまとめた国民の生活実態に関する年次調査でも、国民が普段使っていた食材を安くて手に入りやすい食材に入れ替えている実態が浮き彫りになった。

2015年の調査で購入量4位だった食肉と5位だった鶏肉は、16年の調査ではそれぞれ野菜とイモ類に取って代わられた。

食事の回数を減らす世帯は急増し、栄養不良も広がっている。食事は1日2回以下と答えた人は15年調査の11.3%から、16年は32.5%へとほぼ3倍に増えた。国民のうち推定960万人が1日に2回以下しか食事していない計算になるという。

食料品や日用品の極端な不足でスーパーマーケットの棚も空に

食品だけでなく、トイレットペーパーなどの生活用品不足も深刻化している。ベネズエラ政府は財政運営の失策やうまくいかないプロジェクトへの多額の支出、油田への投資欠如などによって外貨が極端に不足しているため、外国から商品を輸入することもできない。

ゴンザレスさんの10歳の娘は中程度の栄養不良と診断された。食事の内容は「ご飯とサラダの時もある。朝食は餅か小さなアレパ。肉は長いこと食べていない」と打ち明ける。

生活実態調査では、回答者の72.7%がこの1年でやせたと回答。体重は平均すると8.7キロ減っていた。

マドゥロ大統領はこれまで同国は危機的状況にはないと主張していたが、19日には一部の勤労者に支給する食料引換券を42%増やすと発表した。

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