新しい入国禁止令、週内にも発表か 永住権保持なら除外明記

週内にも新しい大統領令が発表される見通しだという

2017.02.21 Tue posted at 12:26 JST

ワシントン(CNN) トランプ米政権は、難民やイスラム圏からの渡航者らを一時的に入国禁止とした大統領令が差し止めになったことを受け、今週中にも新たな大統領令を発表する見通しであることが21日までに分かった。

情報筋によると、最初の大統領令で混乱を招いた永住権(グリーンカード)保持者の扱いについて、新たな大統領令には入国禁止の対象から外すことが明記されるという。

大統領令を批判してきた弁護士らからは「新たな大統領令を作ること自体、トランプ政権が違法性を認めた証拠だ」「グリーンカード保持者を対象外とすることだけが実質的な変更なら、法廷闘争はこれまで通り続く」との声が上がっている。

ケリー国土安全保障長官は先週末、「大統領は前回より厳しく、合理的な大統領令を検討している」と話していた。全米で空港が混乱したりデモが起きたりしたことを踏まえ、一部の条項については発効までに導入期間を設ける方向だとも語った。

さらに合衆国憲法が定めるデュー・プロセス(適正な手続き)を尊重していないとの批判に対応して、すでに入国査証(ビザ)を取得した人、手続きを始めている人には入国制限について詳細に通知する方針を示した。発令の時点で米国へ向かっている渡航者は、入国を認めるとも明言した。

トランプ大統領が先月出した大統領令は、イスラム圏7カ国からの渡航者を90日間、シリアからの難民を無期限に、それ以外の難民を120日間、それぞれ入国禁止とする内容だった。トランプ大統領は先週の記者会見で、裁判所の差し止め命令を「とても悪い判断」だと非難する一方、その判断に合わせた新たな大統領令を出すと話していた。

事情に詳しい情報筋によれば、新大統領令は先週末の時点でまだ案を練っている状態だった。元の大統領令には、他国で迫害を受けている少数宗派を優先するとの条項があったが、宗教に基づく差別だと批判されたことを受け、修正または削除する可能性が高いという。

現在有効な非移民ビザを取り消す措置に対しては、司法省が反対、ホワイトハウスと国土安全保障省が賛成と、意見が割れている。

また、アフガニスタンやイラクで米軍に協力した通訳らに発給されてきた特別移民ビザの扱いも注目される。

シリア難民の入国を全面的に禁止した条項を修正または削除するかどうかについても、賛否両論があるという。

新入国禁止令、週内にも発表か

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