(CNN) 米ニューヨーク市中心部のタイムズスクエアで19日、多様な宗教や背景を持つ市民ら数千人が集まって、イスラム教徒を支持する大規模集会「今日は私もムスリム」が開かれた。
この日の集会はトランプ大統領による「悪意ある攻撃」に抗議し、イスラム教徒への連帯を示す行動としてソーシャルメディアで呼びかけが行われた。
トランプ大統領はイスラム教徒に対する攻撃的な発言を連発。イスラム圏の7カ国の市民の入国を一時禁止する大統領令は裁判所によって差し止められたが、新しい大統領令を出すと宣言している。
集会参加者の多くは、米国旗をイスラム教徒の装束ヒジャブとしてまとった女性のプラカードを掲げ、イスラム系社会に向けられた敵意や圧力に抗議。トランプ大統領に扮した参加者の1人は、ハゲワシを閉じ込めた鳥かごを持って人込みの中を練り歩いた。
演説には発起人の1人でレコード会社デフ・ジャム・レコーディングスを創設した起業家のラッセル・シモンズ氏のほか、ユダヤ教、イスラム教、シーク教、仏教、キリスト教の各宗派、ヒンドゥー教など多様な宗教の指導者が登場し、女優のスーザン・サランドン氏やニューヨーク市のデブラシオ市長も出席した。
シモンズ氏の演説では、かつて友人だったトランプ大統領について、「彼のおかげで私たちはここに集まることができた」と述べ、テロリストとして名指しされることもあるイスラム教徒は、実際にはテロの犠牲者であり、共に過激派との戦いに加わっていると強調。「小さくて多分無知なだけの憎しみの種に水をやってはならない。私たちは愛で彼らを支えるために集まった。だから憎しみが育つことはできない」と訴えた。
ニューヨーク生まれのパレスチナ系米国人で評論家のリンダ・サーサワー氏は、第2次世界大戦中に日系人の強制収容を命じたルーズベルト元大統領の大統領令からこの日で75年目に当たると指摘し、「真に過ちを繰り返さない世代」の一員であり続けてほしいと聴衆に呼びかけた。