ロケット打ち上げ成功、世界最多の104基の衛星搭載 印

インドが衛星104基の打ち上げに成功

2017.02.19 Sun posted at 16:02 JST

(CNN) インドの宇宙開発当局は19日までに、打ち上げたロケット1基から人工衛星計104個の大量放出に成功したと発表した。ロシアが2014年に実現させた衛星37個の切り離しを大幅に更新する最多記録としている。

インドは近年、宇宙開発で存在感を高めており、14年には火星探査機「マンガルヤーン」搭載のロケットを打ち上げ、火星の周回軌道に乗せる成功を収めていた。アジア諸国では初の成果だった。同探査機の事業経費は7400万米ドルで、米ハリウッドの宇宙を舞台にしたサスペンス映画「ゼロ・グラビティ」の製作費よりも1億ドルも安かった。

インドの宇宙開発事業は1962年から始まり、マンガルヤーンの成功で今や世界各国から大きな注目を集める結果となっている。マンガルヤーンの実績はインド国民の誇りを高めており、同国の新紙幣にも登場した。

インド政府の統計によると、これまで打ち上げに成功した衛星は計21カ国から委託された79個。グーグルやエアバスなど大企業からの注文も含まれる。収益は少なくとも1億5700万ドルとなっている。昨年は計20個の衛星放出に成功した。

今月15日に軌道投入に成功した衛星104個のうち国内用は3個で、外国絡みは101個。インド宇宙研究機関(ISRO)によると、発注した外国は米国、カザフスタン、イスラエル、オランダ、スイスにアラブ首長国連邦(UAE)の6カ国となっている。

ISRO衛星センターの元幹部は、大型の衛星が少なかったため多数の積み込みが可能だったと指摘。必要とされた主要技術は各衛星間の接触などを警戒しながら順番に切り離し、異なった軌道に放出するものだったとも説明した。

インドの首都ニューデリーを本拠にするシンクタンクの責任者は、インドは他国と比べ60~70%安い経費での衛星打ち上げが可能と指摘。ただ、この水準については同国の安い労働コストと損得勘定が重要な産業を関与させていない国政方針が反映していると説明した。

インドで高度技能を保持する宇宙開発関連エンジニアの月給は1000ドル(約11万3000円)とされ、米欧の水準と比べれば微々たるものとなっている。

この中でインドの宇宙開発推進に当たる当局者は、より重い衛星を軌道に投入させる技術をインドが習得出来なければ、世界規模の宇宙開発競争で同国は「適度の位置」に甘んじ続けるしかないだろうと指摘。「重量の荷物を搭載して飛ばせる良質な極低温エンジンはまだ開発出来ていない」とも認めた。

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