ベネズエラ政府、CNNスペイン語放送を停波に 番組を批判

ベネズエラのタレク・エルアイサミ副大統領

2017.02.16 Thu posted at 15:40 JST

(CNN) 南米ベネズエラ政府は15日、ケーブルテレビ各局に対し、CNNスペイン語放送の停波を命じた。

CNNは同国のタレク・エルアイサミ副大統領が不正なパスポート発給に関与したとする内容の番組を放送していた。

ロドリゲス外相は、CNNの報道について「真っ赤な嘘」だと述べ、ベネズエラに対する「帝国主義的メディア運営」だと批判した。

ベネズエラ当局は、CNNスペイン語放送がこの番組により、名誉毀損(きそん)と事実の歪曲(わいきょく)、言論の自由の侵害を行ったと非難。「不寛容の環境を作り出してベネズエラ国民の平和と民主的安定」を脅かしたとしている。

野党が過半数を占める議会からは停波の判断について非民主的だとして批判する声も出ている。

「影のパスポート」と題された番組は、ベネズエラにおけるパスポートやビザの不正発給や、パスポートがテロと関連のある人々の手に渡った疑惑を追ったもので先週放送された。

番組内では、173人分のパスポートや身分証が中東出身者に発給されたこととエルアイサミ副大統領との結びつきを示す機密文書が紹介された。発給された人物の中には、テロ組織ヒズボラと関係のある人物もいたという。

エルアイサミ副大統領には過去数カ月間にわたり取材要請を行っているが、返答はない。

同じターナー・ブロードキャスティング・システムのCNNインターナショナルの放送は現在も続けられている。今回の措置を受けてCNNスペイン語放送は、動画共有サイトのユーチューブで無料放送を行っている。

13日には米財務省が、エルアイサミ副大統領が「国際的な麻薬密輸で重要な役割」を果たしたとして、同副大統領に厳重な制裁を科していた。

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