フリン氏辞任に相次ぐ疑問、大統領は先月から疑惑を認識

フリン氏(左)の米大統領補佐官辞任を巡り、疑問の声が噴出している

2017.02.15 Wed posted at 13:21 JST

(CNN) トランプ米政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めていたマイケル・フリン氏が辞任した問題で、ホワイトハウスは14日、辞任の背景をめぐり次々と投げ掛けられる疑問への対応に追われた。

フリン氏は昨年末、就任前の立場でありながら、駐米ロシア大使との電話でオバマ前政権の対ロ制裁について話し合っていた。その事実をペンス副大統領らに隠していたことが明るみに出て、13日夜に辞任に追い込まれた。

スパイサー大統領報道官は14日の定例会見で、フリン氏が辞任したのは大使との会話自体が原因ではなく、大統領が「このほかにも一連の疑わしい出来事」などをめぐり、同氏への信頼を次第に失っていったためだと述べた。

フリン氏はペンス氏らに、大使との会話で制裁のことは話題にしていないと語っていたが、米紙ワシントン・ポストが今月9日、実際は話題になっていたと報道。新政権移行後に制裁を解除するとの内容だったとみられ、民間人が外国政府と交渉することを禁じる法律に違反していた可能性が指摘された。

ホワイトハウスの法律顧問はこれを受けて調査した結果、違法行為には当たらないとの結論に達したという。仮に政策の詳細を協議していれば、理論上は上記の法律への違反となっていた。

複数の政権当局者によると、ペンス氏は9日になるまで、フリン氏が制裁を話題にしていた事実を知らなかった。一方トランプ氏はこの問題について、先月26日の時点で司法省から報告を受けていたことが新たに分かった。

ペンス氏に事実が伝わったのはトランプ氏より2週間以上も後だったことになる。

ペンス副大統領がフリン氏の会話の事実を知ったのはトランプ氏の2週間以上後だった

問題の制裁は、オバマ前政権が昨年12月、ロシアが米大統領選に介入したとされる問題への対抗策として発表したが、ロシア側は従来のように激しい反発を示さなかった。

議会では共和、民主両党の議員から「ホワイトハウスはなぜ事実が報道されるまで行動を起こさなかったのか」「フリン氏は大使との会話の内容について、だれかの指示を受けていたのではないか」「トランプ氏自身が大使と制裁について話し合った事実もあるのではないか」などの疑問を投げ掛け、調査を求める声が上がっている。

ただスパイサー報道官は会見で、フリン氏がトランプ氏からの指示で対ロ制裁について話したとの疑惑について問われ、「それは絶対にない」と強く否定した。

一方で政権側は、フリン氏と大使の会話がロシア大使館に対する情報収集活動から流出したとみられる点を問題視している。トランプ氏はフリン氏の辞任を受けたツイートの第一声で「本当の問題は、ワシントンからの違法な情報流出がどうしてこんなにあるのかという点だ。私が北朝鮮などに対処する際もこういう流出が起きるのだろうか」と懸念を示した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。