香港(CNN) マレーシアの捜査当局によると、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏とみられる男性が13日、首都クアラルンプールの国際空港で倒れ、死亡した。
警察はいったん「突然死」と発表し、検視結果を待つ構えを示した。正男氏が何者かに襲われたという未確認情報もある。
空港のあるセランゴール州の捜査当局責任者は「すでに捜査を開始し、複数の可能性を調べている」と述べた。
同責任者によると、男性は何者かに後ろから顔面をつかまれたと話し、めまいを訴えて空港のカウンターに助けを求めた。
韓国メディアは「40代の男性」と伝えた。マレーシア警察の幹部は、「キムチョル」という名前のパスポートを持った北朝鮮の男性が死亡したと述べた。
正男氏は故・金正日(キムジョンイル)総書記の長男だが、2001年に偽造パスポートを使って東京ディズニーランドを訪れようとしたことがきっかけで後継候補から外されたとの説がある。
ただ、12年に正男氏についての著書を出版した日本人ジャーナリスト、五味洋治氏はこの説に否定的な見方を示す。五味氏によれば、正男氏は父・正日氏の軍事優先政策を批判し、改革、開放路線を志向していた。
北朝鮮を出た時期は不明だが、マカオや中国で暮らし、11年に死去した正日氏の葬儀には姿を見せなかった。
正恩氏の体制では側近の粛清が相次ぎ、今月初めには最高幹部の一人だった秘密警察のトップが解任されたばかり。同氏は体制発足以来、昨年末までに計340人の処刑を命じたとの報告もある。
金正男氏、マレーシアで死亡