ワシントン(CNN) 安倍晋三首相は10日、ワシントンのホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談した。トランプ氏は会談後の記者会見で、日本と中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名・釣魚島)について、対日安全保障の範囲内だとの認識を改めて示す一方、在日米軍駐留経費などの負担増額の要求には言及しなかった。
トランプ氏は記者会見で、尖閣諸島に関し、「我々は日本とその施政下にある全領域の安全保障を約束する」と述べた。
米国は尖閣諸島が日本の施政下にあると認識しており、日米安全保障条約第5条が同諸島に適用されるとしている。ただ、来日したマティス米国防長官が先週、同諸島への日米安保適用を改めて表明するまで、この点に関するトランプ氏の立場に疑念が生じていた。
トランプ氏は選挙戦の期間中、日米同盟の有用性について疑問を呈していたが、今回は実質的に、北東アジアに関する米国の従来の方針に回帰した形だ。
トランプ氏はまた、航行の自由や北朝鮮のミサイル、核兵器の脅威に対する防衛など、日米が共有する国益の推進のために両国で協力していく方針も明らかにした。
対日安全保障や在日米軍駐留の経費負担を日本は増額するべきだとの要求については言及しなかった。また、日本の通商政策に関する以前の批判もなりを潜めた。
ただ、トランプ氏は日米関係に一定の進展があったことを示唆。日米両国は防衛やそのための軍事力に「非常に多く」投資する姿勢を示していると指摘したうえで、日米の通商関係は「自由で公平、互恵的」なものであるべきだと付け加えた。
トランプ氏と安倍氏の会談はホワイトハウスの大統領執務室で行われ、昼食も共にした。その後は夫人らを伴ってフロリダ州に向かい、トランプ氏の別荘に滞在する。11日には共にゴルフを行う見通し。
日米首脳会談、記者会見