(CNN) インド・チェンナイの病院は9日までに、女性の頭部に入り込んだゴキブリを生きたまま頭蓋骨(ずがいこつ)の間から取り出す処置を行ったことを明らかにした。その瞬間の映像も公開している。
患者はチェンナイの郊外に住む42歳の女性。真夜中に突然、頭痛がして目が覚めた。ムズムズするような感覚は普通ではなかった。
スタンリー医科大学病院を受診した女性はひどい頭痛を訴え、呼吸困難の症状もあった。医師が内視鏡検査を行ったところ、何らかの生き物の足を発見したという。
同大学耳鼻咽喉科のM・N・シャンカー教授は、「最初はそれが何なのか分からなかった」「ハチなのか、それとも別の昆虫なのか分からなかった」と振り返る。
医師団は吸引装置と鉗子を使って女性の頭蓋骨から慎重にその物体を引っ張り出す処置を実施。45分ほどかけて取り出したのは、体長約2.5センチの生きたゴキブリだった。女性の呼吸困難の症状はすぐに収まった。
ゴキブリはその12時間ほど前に、女性の体内に入り込んでいた。鼻の穴から潜り込み、鼻と脳の境目にある頭蓋底に達したと思われる。シャンカー教授は「極めて異例」とコメントしている。
もしゴキブリが摘出されていなければ、そのまま女性の頭の中で死んで感染症を引き起こし、感染が女性の全身に広がって死に至る可能性もあった。
同病院ではこれまでにも寄生虫やハエを患者から摘出したことはあったが、ゴキブリが出て来たのは関係者が記憶している限りでは初めてだという。
恐ろしいことに、こうした事態を防ぐ手立てはないとスタンリー教授は話している。