シリアの刑務所で1万3000人処刑か 人権団体が報告

2017.02.07 Tue posted at 20:20 JST

(CNN) シリアの首都ダマスカス北郊のサイドナヤ刑務所で反体制派の市民らが秘密裏に処刑され、これまでに1万3000人が死亡したとする報告書が発表された。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(AI)がこのほど出した報告書によると、サイドナヤ刑務所では週2回、一度に50人の受刑者が目隠しされて建物の外へ連れ出され、そこで絞首刑に処せられる。

AIは1年間かけて警備員や収監者、判事、弁護士ら計84人の聞き取り調査を実施し、その証言に基づいて報告書をまとめた。犠牲者の大半はアサド政権に反対する民間人だという。

AIベイルート事務所の幹部は、シリア政権のトップが反対派を全滅させる目的で殺害を許可しているとの見方を示した。

報告書が元判事の話として伝えたところによると、収監者は形式だけの裁判にかけられる。判事に名前を聞かれ、罪を犯したかどうかと質問されるが、答えが「はい」でも「いいえ」でも有罪を言い渡されるという。

シリアのアサド大統領は今まで、こうした報告を政治的な策略だと非難してきた。昨年11月には同国を訪れた米紙記者らに、米国は意に沿わない政権を倒すため、自分に「善玉を殺す悪玉大統領」というレッテルを張ろうとしているだけだと訴えた。

アムネスティは今回の報告を基に、国連がただちに独立した調査を実施し、全ての刑務所について立ち入り許可を求めるべきだと主張している。

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