観光客増大のバルセロナ、住民との摩擦回避でホテル建設規制

2017.02.05 Sun posted at 18:05 JST

ロンドン(CNNMoney) スペインのバルセロナ市議会は5日までに、同市中心部でのホテル建設を規制し、米Airbnb(エアビーアンドビー)を通じた民家の貸し出しを制限する新たな規則を承認した。

規則は今月発効。観光客が押し寄せて中心部では住民より滞在する観光客が多くなり、不動産価格の上昇、騒音の悪化に襲われて住民が逃げ出す後遺症が目立ってきたことへの対応策となっている。

新たな規則により中心部ではなく郊外でのホテル建設を促し、一般民家の小型ホテル化の拡散阻止を図る。

地元での最近の調査では、住民が対処を訴える最大の問題は失業ではなく観光との結果が出ていた。市議会の報道担当者はCNNMoneyに、「観光には反対しないが、規則が必要」と述べた。騒々しいパーティーや集団への苦情が増えているという。

バルセロナの総人口は約160万人で、同市への訪問者は年間約3000万人。国連世界観光機関によると、スペインを訪れた観光客は2015年に約6800万人で、世界で3位。観光収入は約570億米ドルだった。

フランスやトルコ、エジプトでテロ事件が起き、旅行客がこれら諸国を回避したことを受け、スペインの観光業は一段と活況を呈しているという。

バルセロナ市の公式データによると、市内に用意されている観光客用のベッド数は約16万で、大半は中心部に集中するホテルにある。観光客に貸し出すベッド数は民家やアパートで約1万となっている。

今回新たに打ち出された規則については、同市のホテル業界団体は地元経済の主要な推進力である観光に支障を与えるとして反対を表明。Airbnbも異議を唱える声明を発表した。

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