仏極右政党のルペン党首、トランプ氏による入国禁止令を称賛

CNNのインタビューに応じるマリーヌ・ルペン党首

2017.02.02 Thu posted at 12:20 JST

(CNN) フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が2日までにCNNのインタビューに応じ、イスラム教の7カ国から米国への入国を禁止した米トランプ大統領の大統領令を称賛した。ルペン氏は4~5月に行われるフランス大統領選挙で有力候補になると見られている。

トランプ大統領が1月27日に署名した大統領令は、イスラム教徒が多数を占める7カ国の市民の米国入国を90日にわたって禁止する内容。難民の受け入れは120日間停止し、シリア難民の受け入れは無期限で停止する。

この大統領令を「イスラム教徒禁止令」とみなす意見も多く、対象国や欧州の首脳から非難の声が上がっていた。

しかしルペン党首は、そうした反応には「悪意」があるとの見方を示し、「これは一時的な措置であり、6~7カ国を標的にしている。言うまでもなく、テロの脅威の原因となっている国だ」と述べた。

「ドナルド・トランプ氏と情報機関は、潜在的なテロリストによる米国入国を阻むための基準を設定したいのだと思う。そうした人物は米国で攻撃を実行するかもしれない。フランスが攻撃の被害に遭ったように」。ルペン党首はそう語り、多くのイスラム教国ではイスラエル市民の入国を恒久的に禁止していると指摘した。

フランスでも同様の禁止措置を打ち出すかという質問には直接的な答えを避け、フランスは警戒を怠らず、国境を守らなければならないと強調。「フランスはEUが原因で国境がなくなった」と主張した。

入国禁止の大統領令に対する非難の声には「悪意がある」とルペン党首

トランプ大統領が就任当日に打ち出した援助プログラムへの予算カットやメキシコとの国境の壁建設などの大統領令については、「同氏はそれをやると言って選出された。同氏が選挙運動中に公約した内容を実行に移しているという理由で、世界が憤慨しているように見える」とルペン氏。移民反対を掲げる同氏にとって、トランプ氏の浮上や英国のEU離脱など、世界の地政学的シフトは追い風になっている。

ただしフランスへ流入する移民の流れは止めるとしながらも、トランプ大統領にならってフランスの国境に壁を建設することには関心がないとした。

自由貿易に反対するトランプ氏の政策についても、「制約のない自由貿易は惨状を招いた」として支持を表明。「そうした考えは、国民投票を経て英国で実行に移されている。ドナルド・トランプ氏の選出を受けて、人々はこの乱暴で無秩序なグローバル化を終わらせことも求めており、われわれは素晴らしい愛国主義に向け、文化の保全と地元の雇用の保護へと動きつつある」と論じている。

もし大統領に選出されれば半年以内にフランスでもEU離脱の是非を問う国民投票を実施する意向で、まずはフランスの領土的、経済的、法的な主権を取り戻すための交渉を試み、それに失敗すれば国民投票を実施すると説明した。

ルペン党首は以前からロシアのプーチン大統領を支持しており、ロシアがクリミア半島を「侵略」したとは思っていないと述べた。対ロシア制裁についても「まったく馬鹿げている。何の問題も解決されず、状況は一切改善していない。やったことといえばEUに大きな経済問題を生じさせたことだけだ」と批判している。

仏極右政党のルペン氏、米大統領令を称賛

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