中国人大富豪、香港で失踪 本土へ連行か

香港の高級ホテルから失踪した肖建華氏

2017.02.02 Thu posted at 11:18 JST

(CNN) カナダ国籍を持つ中国人の大富豪が香港の高級ホテルから消息を絶った件で、事情に詳しい関係者が1日、本土に連れて行かれたとCNNに語った。

香港警察によれば、中国人富豪の肖建華氏が失踪したとの通報があったのは先月27日。しかし、家族は翌日になって捜索願を取り下げたという。

警察は31日、CNNの取材に対し「今も捜査は続いており、関係する本土の当局にも協力を求めている」と答えた。

肖氏は中国でも有数の大富豪で、銀行や保険会社、不動産開発業者などを傘下に置く持ち株会社を経営している。中国の富豪ランキング「胡潤百富」によれば、肖氏は46歳で総資産額は60億ドルに上るという。

肖氏の失踪は「一国二制度」政策の下で保障されているはずの香港の自由への懸念をさらに高めている。

2015年には英国籍を持つ書店関係者5人が香港から姿を消し、その後中国本土で拘束されていることが明らかになった例がある。

香港紙「明報」の1面には、肖氏のものとされる声明文が掲載された

関係者がCNNに語ったところでは、肖氏は中国国内で最も有力な層の家系と親しい関係にあったという。

1日には香港紙「明報」の第1面の広告欄に、拉致されたことを否定する内容の肖氏の声明が掲載された。

声明文は中国語で、自分は「海外で療養中」で、健康が回復したらメディアと会見したいと書かれていた。

また声明には「私は愛国的な在外華僑であり、党と国家を常に愛してきた」と書かれていた。また、自分はカナダ国籍を持っており領事館の支援を受けられる立場にあるとともに、香港の永住権を持っているとも述べていた。

中国で身柄を拘束された有名実業家が、自分の無事を知らせる声明を出すよう圧力をかけられた例はこれまでにもある。

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