「メディアは黙れ」、トランプ氏側近が威嚇の発言

スティーブン・バノン大統領上級顧問兼首席戦略官

2017.01.28 Sat posted at 15:59 JST

ロサンゼルス(CNNMoney) 米ホワイトハウスのスティーブン・バノン大統領上級顧問兼首席戦略官は28日までに、トランプ政権に批判的な論調の米メディアを「野党」と指弾し、「黙っていろ」と威嚇するような発言を示した。

米紙ニューヨーク・タイムズとの異例の会見で述べた。同紙によると、「メディアは恥と屈辱を受けるべきだ。口を閉じ、しばらくは聞いているべきだ」と主張。「米国のことが分かっていないし、なぜドナルド・トランプが米大統領であるのかも理解していない」と言い切った。

選挙戦中から女性蔑視発言などが原因でトランプ氏と主要メディアの間の反目は続いており、同氏は大統領就任後、「メディアとは戦争状態にある」とまで明言していた。

バノン氏は、右派系のニュースサイトで人種差別的な記事も掲載したとされる「ブライトバート」の責任者を以前務めていた。

同氏はタイムズ紙との会見でトランプ氏当選に関連し、「エリートメディアは間違った。100%間違った」と強調。「屈辱に等しい敗北であり、それは拭いきれるものではない。いつもあり続けるだろう」とし、「主流派メディアは(トランプ氏の)選挙戦を取材し続けた記者らを解雇などしなかった」とも述べた。

トランプ大統領(左)とスティーブン・バノン大統領上級顧問兼首席戦略官

その上で、これら記者によるツイッターへの書き込みの内容に触れ、「彼らはまさにクリントン(氏)陣営の活動家だった」と断じた。

バノン氏の今回の言動についてトランプ大統領は27日、これに同調する考えを表明。キリスト教テレビ局との会見で、全てとは言わないがかなりのメディアは多くの面で野党に等しいと指摘。メディアは「野党(民主党)よりはるかに有能。野党はひどい負け方をした。今やメディアが野党の立場にある」と切り捨てた。

トランプ政権と主要メディアの間では最近、大統領就任式典の一般参加者数や大統領選での不法投票問題などで新たな論争が起きていた。メディア側はトランプ氏側の根拠が乏しい主張を批判、政権側はメディアの報道は不公平かつ虚偽などと反論している。

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