米英首脳、関係強化で一致 トランプ氏が国賓で訪英へ

共同記者会見を行うトランプ米大統領(右)とメイ英首相

2017.01.28 Sat posted at 13:25 JST

(CNN) トランプ米大統領とメイ英首相は27日、米ホワイトハウスで会談し、両国の貿易面などでの関係強化を確認した。トランプ氏が外国首脳と会談するのは就任後初。

メイ首相は会談後の共同記者会見で、トランプ氏の大統領就任への祝意を示した上で、北大西洋条約機構(NATO)への米国の支持を確認し、米英間の貿易協定の議論に関する初期段階の進展があったことを明らかにした。

トランプ氏も両者は力強い協力関係を築いていくとの認識を示し、米英関係は「平和のための力」であり、自由で独立した英国が「世界の恵み」になるとも述べた。就任後初の首脳会談の相手として応じてくれたことにも謝意を示した。

メイ首相はまた、トランプ大統領が国賓として今年訪英すると発表。トランプ大統領がエリザベス女王からの招待を受諾したと述べた。国賓としての招待が就任後これほど早い時期に行われるのは異例。

ただ、両国間の立場の違いも垣間見られた。ロシアへの対応を巡っては、メイ氏がクリミア半島併合を受けた対ロ制裁への支持を表明する一方で、トランプ氏は制裁について話すのは「時期尚早」だと言及。ロシアとの間で英国と同様の良好な関係を構築することに改めて期待を示した。

相違点も見られた?

拷問を支持するトランプ大統領の発言については、保守党幹部を含む英議会議員からメイ首相が非難すべきだとの声が上がっている。この点、メイ氏は明言を避けたが、トランプ氏は拷問を支持する考えを改めて表明した。ただ、法令に従い対応すると明言するマティス国防長官の判断に従うとも述べた。

また、トランプ氏が「時代遅れ」と評してきたNATOについて、メイ氏はトランプ氏が「NATOに100%賛成している」と発言する一方で、トランプ氏は立場を変えたことを否定した。

メイ氏は米政府と意見の相違があってもそれを発信していくと表明。「両国の意見が一致しないときもあるだろう。英米間の特別な関係の要は両国が開かれた率直な議論を行うことだ」と述べた。

通商関係については、トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を表明し、2国間での貿易関係の構築を模索している。トランプ、メイ両氏とも貿易協定の締結に向けた作業を始めたい考えを示したが、公式の交渉開始は英国が欧州連合(EU)から離脱した後となる。

メイ首相は両国の国益に合致するような合意に向けた高官級の協議の進め方について、今後トランプ氏と議論すると述べた。

米英首脳の共同記者会見

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。