(CNN) 訪米中のメイ英首相は26日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで開催された米共和党の集会で演説し、米英はともに「強い」立場を維持すべきだと述べる一方で、外国への軍事介入の時代は終わったとも述べた。
「英米が、世界を自らのイメージに合わせて作りかえるために主権国家に介入した時代は終わった。だが脅威が本物であり介入がわれわれ自身の利益になる場合においては、手をこまぬいているわけにはいかない」とメイ首相は述べた。
また首相は英米のリーダーシップは「現代社会を形作ってきた」と主張。「他の国々が台頭してわれわれが後退するのは、米国にとっても英国にとっても世界にとってもいいことではない」と述べ、英米両国は世界を主導していく責任があるとの考えを示した。
首相は昨年11月の選挙における共和党の勝利を「米国の再生という新時代の夜明け」だと持ち上げた。
「これからの米国はさらに強く、偉大に、自信をもつことができる。そして新たに力強く自信に満ちた米国は世界にとってもありがたい存在だ」と首相は述べた。
また首相は、北大西洋条約機構(NATO)や世界銀行や国際通貨基金(IMF)といった国際機関について「こうした機関の中には、今日のわれわれのニーズに合わせた改革や再生が必要なところもある」と述べた。
だがその一方で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などの脅威に対処するために英米は「国際的な協力やパートナーシップを促進する国連やNATOのような多国間機構と手を携える」必要があるとも述べた。
また対ロシア関係については慎重な対応を呼びかけた。
「プーチン大統領については、関与しつつ用心せよというのが私のアドバイスだ。私たちは強い立場からロシアに関与し、対立よりも協力を実現するような関係やシステム、プロセスを構築すべきだ」とメイ首相は述べた。
イラン問題では、核合意は地域の安全保障に欠かせないと指摘し、イランの側からの違反に対しては迅速かつ断固たる措置をとるよう呼びかけた。
また首相は、トランプ政権が英国との通商合意を優先課題としていることを歓迎。数カ月のうちに貿易協定の合意に達するとの期待を示した。
メイ首相は27日にトランプ米大統領と会談する。トランプ大統領にとっては、就任後初の外国政府トップとの会談となる。
メイ英首相が米国で演説