トランプ政権、メキシコ製品に20%関税案 壁の費用として

トランプ政権が選択肢の1つとして対メキシコ関税の実施に言及

2017.01.27 Fri posted at 11:27 JST

ニューヨーク(CNNMoney) スパイサー米大統領報道官は26日、トランプ大統領は国境の壁建設の費用に充てるため、メキシコからの輸入品に20%の関税をかける提案をする考えだと述べた。ホワイトハウスはその後、これはあくまでも選択肢の1つだと説明した。

ただ、こうした関税により打撃を受けるのは米国内の企業と消費者だ。

外交問題評議会の通商問題専門家、エドワード・オールデン氏は「20%の関税はメキシコに壁の費用を払わせる手段だというが、それは欺瞞(ぎまん)に過ぎない。実際には米国の消費者に払わせる手段だ」と語る。

米商工会議所によれば、米国内のおよそ600万人の雇用はメキシコとの貿易に依存している。もしトランプ大統領が貿易に制限を加えれば、こうした雇用は大きな打撃を受けると専門家は言う。

また、メキシコからの多くの輸入品は価格が上昇する。米国の消費者は自動車やコンピューター、アボカドまで、さまざまな商品の値上げに直面する。

関税がもたらす物価上昇は米国内の雇用や消費に影響を及ぼす可能性がある

部品を米国から輸出してメキシコ国内で組み立てている多くの米企業も打撃を受ける。メキシコからの輸入品に使われている部品の約40%は米国製とされる。

物価上昇は消費の冷え込みにもつながりかねない。

その結果、雇用の減少を招く可能性もある。オバマ前政権による中国製タイヤへの関税引き上げがいい例だ。ある研究によると、タイヤ価格の上昇により、関税導入で守られた雇用よりも失われた雇用のほうが多かったという。

その上、関税を払うのは製品を輸入する米国の企業だ。それは価格に転嫁されるから、関税(つまり壁の建設費用)を支払うのは、メキシコではなく米国の消費者ということになる。

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