香港(CNNMoney) 中国の工業・情報化省は24日までに、仮想プライベートネットワーク(VPN)の取り締まりを含むインターネット接続サービスの「浄化」を14カ月にわたって実施すると発表した。「グレート・ファイアウォール」と呼ばれるネット検閲システムの回避を難しくする狙い。
新しい規制では、VPNサービスを提供する場合、事前に政府の許可を得ることを義務付ける。許可なくVPNを使うことも禁止する。
VPNを使えばインターネットのトラフィックが暗号化されることから、中国ではグレート・ファイアウォールをかいくぐって検閲対象のウェブサイトにアクセスする目的で使われている。同サービスは月額10ドル程度で利用できる。
中国のネットユーザー約7億3000万人はグレート・ファイアウォールに阻まれて、チベット問題や天安門事件などの情報にはアクセスできない。グーグルやツイッター、フェイスブックなど外国企業が運営するサービスも閲覧できず、中国政府に対する厳しい批判も検閲対象になる。
活動家などは中国政府がインターネット接続の管理に乗り出した1990年代半ば以来、検閲をかわすためのプログラム開発に取り組んできた。これに対して中国政府は度重なる規制強化で対応している。
今月に入って米アップルは、米紙ニューヨーク・タイムズのアプリを中国のアプリストアから削除した。この措置は、モバイルアプリを通じた禁止コンテンツの拡散を禁じる新規定に関係があると見られている。
昨年11月には中国政府が、サービスプロバイダーに対して個人情報の収集や中国で収集した情報の国外流出防止を義務付けたサイバーセキュリティー法を承認していた。