就任式の聴衆、「史上最大」は「代替的な事実」 米大統領側近

就任式のパレードで集まった人々に手を振るトランプ米大統領(左)

2017.01.23 Mon posted at 11:07 JST

ワシントン(CNN) 米トランプ大統領の就任式に集まった聴衆の規模についてショーン・スパイサー大統領報道官が誤った説明をしたことについて、トランプ氏側近が22日のテレビ番組で「代替的事実」だったと弁護した。

NBCの報道番組の中で司会のチャック・トッド氏はトランプ大統領側近のケリアン・コンウェイ氏に対し、ホワイトハウスが21日の記者会見でスパイサー報道官に「大統領就任式に集まった聴衆は史上最大だった」と言わせた理由を問いただした。

これに対してコンウェイ氏は、「あなたは嘘だと言っているが、彼らがスパイサー報道官に示したのは代替的な事実だった」と反論した。

トッド氏に「代替的事実は事実ではない。虚偽だ」と切り返されたコンウェイ氏は、政策に話を移そうとする。だがトッド氏は後に再びこの話題を持ち出して、ホワイトハウスがスパイサー報道官に聴衆の規模について嘘を言わせた理由を尋ね、「聴衆の規模についてこんな馬鹿げた主張を行った動機は何だったのか」とたたみかけた。

コンウェイ氏に「あなたの仕事は大統領報道官の発言を馬鹿呼ばわりすることではないはずだ」とかわされても、トッド氏は「どうか質問に答えてください。なぜ彼はそうしたのか。まだあなたは答えていません。質問は1つだけです」と食い下がる。

2013年のオバマ氏の就任式(左)と2017年のトランプ氏の就任式の様子

コンウェイ氏は「あなたがたった今、視聴者に向けて言ったことを考えてみるといい。我々が進んで物事を晴らし、代替的な事実を公表しなければならないと感じた理由はそこにある」と語った。

CNNの22日の番組でコンウェイ氏が語ったところによると、トランプ大統領自らがスパイサー氏に指示して、ホワイトハウスで行った記者会見で聴衆の規模について前述のような説明を行わせたという。

2009年に行われたオバマ前大統領の就任式に集まった聴衆を撮影した航空写真を、今回のトランプ大統領就任式の聴衆を撮影した航空写真と比べると、聴衆の規模はオバマ前大統領の就任式の方がトランプ大統領の就任式よりもずっと多かった。

首都ワシントンの公共交通機関の乗客数と、ニールセンが発表した視聴率を見ても、オバマ前大統領の就任式の方が多くの注目を集めている。

関係者によると、聴衆の数を比較した写真に対してトランプ大統領は激怒したという。21日に中央情報局(CIA)本部を訪れたトランプ大統領は、聴衆の規模に関するマスコミ報道に不満をぶつけた。その数時間後、スパイサー報道官もホワイトハウスの記者会見場で同じ批判を展開し、質問を受け付けることなく退出した。

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