(CNN) 米首都ワシントンと世界各地の都市で21日、女性の権利や市民権の擁護を訴えるデモが次々に実施された。参加者に共通するのは、20日に就任したトランプ米大統領による権利侵害への懸念だ。
ワシントンでの「女性の行進」は、同日午前10時に連邦議会議事堂前を出発。主催者は25万人が参加するとの見通しを示した。
デモは昨年11月の大統領選後、フェイスブックを通した呼び掛けをきっかけに計画された。トランプ氏の政策や女性蔑視とみられる過去の発言、性的スキャンダル疑惑などに抗議する参加者が、鮮やかなピンク色のニット帽を着けて集合した。
主催者によると、議事堂前の緑地帯「ナショナル・モール」をピンクで埋め尽くそうという呼び掛けに応えて、全米各地やフランス、ニュージーランドからも、計数万点に及ぶ手作りのニット帽が寄せられた。
この日はボストンやニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど全米の数百カ所で「姉妹デモ」が計画され、世界各地の都市でも多くの人々が行進に参加した。
米国外で最初に大きなデモが実施されたのはオーストラリア。シドニー市内でのデモには主催者発表で5000人、警察の推定によると3000人が参加した。「ガール・パワー対トランプ・タワー」「トランプを降ろせ」などと書かれた横断幕もあった。市内ではトランプ氏の支持者ら約30人による集会も開かれた。
オバマ前大統領の父親の出身国ケニアの首都ナイロビや、南アフリカのケープタウン、ガーナやマラウィでも女性らがデモを展開した。
欧州ではローマやパリ、ベルリン、バルセロナ、ロンドンなど数十カ所の都市で大規模なデモがあった。
ロンドンでは少なくとも10万人とされる規模のデモ隊が米大使館前から3キロ余り行進し、市中心部のトラファルガー広場で集会を開いた。女性の権利のほか欧州連合(EU)からの離脱や核兵器、同性愛者の権利などの問題に関するスローガンを掲げる参加者もみられた。
ロンドンで大規模な反トランプ集会