ワシントン(CNN) 米国防総省は19日、キューバ・グアンタナモ湾の収容施設にいた4人を移送すると発表した。オバマ政権下での移送はこれで最後となり、残る収容者は41人となった。
1人はサウジアラビアに、3人はアラブ首長国連邦(UAE)に移送された。11月の大統領選以降、移送された収容者は19人に上る。
オバマ政権が発足した2009年1月当時、グアンタナモの施設には242人の収容者がいた。オバマ大統領は1年以内に施設を閉鎖するとの公約を掲げていたが、政権関係者は最近、公約の達成が不可能であることを認めていた。
「閉鎖という目標をなし遂げられるとは思わない。だがそれは、努力が足りなかったからではない」と、アーネスト大統領報道官は17日に述べた。
報道官によれば、目標達成を阻んだのは議会の超党派の勢力だ。
「議会が(閉鎖を)阻む法律を作ったせいで、テロ組織は強力な新人採用の手段を手にし、この大型施設を運営するために多くの税金が無駄遣いされている」と報道官は述べた。
残る41人のうち、4人は釈放後の危険性に関する検討が行われているところで、移送の候補となっている。
だがトランプ次期大統領は最近のオバマ政権による閉鎖に向けた努力を強く批判しており、移送が行われる可能性は低そうだ。
米情報機関をたばねる国家情報長官室が昨年9月に出した報告書によれば、09年1月以降に釈放された161人のうち、9人は再びテロ組織を支援するようになったという。また、11人がテロ活動に復帰した疑いがもたれている。ちなみに国防情報局は、テロ活動に戻った数を15人としているという。