イタリア(CNN) イタリア中部アブルッツォ州で地震に続いて雪崩が発生し、リゾートホテルが巻き込まれて宿泊客など30人あまりが行方不明になっている。現場では19日夜に入っても懸命の捜索が続けられ、これまでに2人の遺体が見つかった。
イタリア災害対策当局によると、倒壊したホテル内にはまだ宿泊客らが取り残されていると思われる。エアポケットに生存者がいたとしても、寒さのために生存が危ぶまれる。
イタリアでは18日に相次ぐ地震が発生し、首都ローマから約135キロ北東のグランサッソ山麓にある4つ星ホテルが同日夜、雪崩にのみこまれた。
19日夜までには除雪や倒木の除去作業を終え、捜索救助活動のための重機がホテルに到達できるようになった。現場では除雪車やヘリコプター、捜索犬も出動して山間部の捜索を続けていた。
当局はホテルの宿泊者名簿や従業員数から行方不明者を約30人と推定しているが、雪崩に直撃される前に脱出した人がいる可能性もある。
旅行情報サイトによると同ホテルの客室数は43室。消防署の広報は現場でCNNの取材に対し、ホテルの建物は雪崩で完全に倒壊して残骸が跡地から100メートル先にまで散乱していると語った。
災害対策当局によれば、ホテルのあった場所からはこれまでに2人が救助された。しかしほかに生存者は見つかっておらず、同国のANSA通信によれば、捜索隊の呼びかけにも返事はないという。
妻と2人の子どもと共に休暇で訪れていたという男性は、自分の車に向かって歩いていたところで雪崩が起き、危うく難を免れた。妻と子どもたちの行方は19日になっても分かっていない。
ANSA通信によれば、ホテルは雪崩に押し流されて深い雪に埋まり、現場には倒木やがれきが散乱している。死亡した2人は雪崩の発生から24時間以上経過した後に遺体が発見された。
アブルッツォ州では18日に農場の小屋が倒壊して高齢の男性1人も死亡している。
捜索隊が撮影したビデオには、雪や残骸が窓や壁を突き破ってホテルのロビーになだれ込んだ様子が映っている。
地震と雪崩が相次いで発生したことから捜索救助活動は難航し、被災者にも混乱が生じているという。捜索隊員は暴風雪に阻まれながら、スキーやヘリコプターを使って現場入りしている。
ほかにも雪崩で孤立した地域があり、捜索隊が救助に向かっている。停電も発生して約9万人が極端な寒さにさらされているという。
イタリア中部は18日、10回を超す地震に見舞われた。米地質調査所によれば、うち4回はマグニチュード5以上の地震だった。
リゾートホテルを雪崩が直撃、イタリア中部