オバマ大統領、最後の記者会見 「米国は大丈夫」

任期最後となる記者会見で笑顔を見せるオバマ大統領

2017.01.19 Thu posted at 13:11 JST

ワシントン(CNN) オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスで任期最後の記者会見を行い、国民への最後のメッセージを語った。

「心の底では米国は大丈夫だと私は思っている」とオバマ大統領は述べた。「ただそのために、私たちは戦わなければならないし、努力しなければならないし、うまく行くのが当然だと考えてはならない」

オバマ大統領は記者たちに向かって「そのために皆さんもわれわれに協力してくれると承知している」と述べた。

「私はこの国を信じている。米国人を信じている。国民は悪であるよりも善であると信じている」と大統領は述べた。「悲劇的なことも起こるだろう。この世界には悪が存在するとも考えている。だが結局のところ、私たちが懸命に努力すれば、自分たちの中の真実であると感じられること、正しいと感じられることに誠実であれば、世界は少しずつよくなっていくと私は考える」

オバマ氏は「それがこの政権がやろうとしてきたことだ」と述べた。

次期大統領のトランプ氏とは電話で「建設的な」議論を交わしたという

また、退任後はトランプ次期政権の具体的な政策に口をはさむつもりはないとしながらも、「基本的価値」が脅かされた際には声を上げると述べた。

それは例えば「組織的な差別が何らかの形で法制化」された場合や「投票や参政権の行使に対してあからさまな、または事実上の妨害が行われた」場合だという。

またオバマ大統領は、トランプ氏が就任後、大統領として国を治めることがいかに複雑で細かい仕事かを知れば、医療保険制度改革(オバマケア)や雇用の問題で方針転換があるかも知れないと指摘した。

オバマ氏は「大統領に就任し、国民皆保険や自分の公約を実現することがいかに複雑か目の当たりにすれば、あるいは国内の雇用の創出や賃上げを本当に促したいと思うなら、私が就任してたどり着いたのと同じような結論に彼も達するかも知れない」と述べた。

これまでのトランプ氏との電話は「建設的」で、時には長時間にわたったという。

そして先輩としてトランプ氏への最大のアドバイスは、周囲の人々に頼ることだという。「これだけ重大な職を自分1人でこなすことはできない」

オバマ氏はトランプ氏とは対照的に、民主主義が機能する上で欠かせない存在としてホワイトハウスの記者団をはっきりと擁護する姿勢を示した。

オバマ氏は「私たちは、ここに送り込んでくれた国民に対して説明する義務がある。あなたたち(記者)に求められているのは、ごまをすることではない。懐疑的であることだ」と語った。

トランプ氏がロシアとの関係改善に前向きな点については、オバマ大統領は建設的な米ロ関係は「米国の利益でもあり世界の利益でもある」としながらも、慎重な見方を示した。

オバマ大統領は、在任中に自らが行ってきたより友好的な関係構築への努力はプーチン大統領の戦闘的スタンスによって阻まれたと指摘。「(プーチン氏の)敵対心が(両国)関係をさらに困難にした」と述べた。

オバマ大統領、最後の記者会見

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