ワシントン(CNN) オバマ米大統領は17日、告発サイトの「ウィキリークス」に米軍の機密情報を提供した罪で服役中の元米兵、チェルシー・マニング受刑者の減刑を決めた。マニング受刑者の弁護士や人権団体が減刑を歓迎する一方で、米情報当局者らの間では衝撃を持って今回の判断が受け止められた。
ホワイトハウスが同日出した声明によると、マニング受刑者は今年5月17日に釈放されることになった。
同受刑者は米軍から75万ページに及ぶ文書や映像を盗み出し、ウィキリークスへ渡したとして、スパイ罪など20件の罪で有罪判決を受けた。禁錮35年の刑を言い渡され、服役している。
機密情報はウィキリークスが2010年に公開した。イラクで07年、米軍のヘリコプターが民間人や報道陣を攻撃した映像などが含まれていた。
マニング受刑者はカンザス州にある男性専用の軍事刑務所に収監されているが、性同一性障害で自身を女性と認識していることを告白し、一般刑務所への移動を希望していた。
マニング受刑者の弁護士や人権団体が減刑を歓迎する一方で、米情報当局者らの間には衝撃が走った。上下両院の共和党議員からも同受刑者を「裏切り者」と呼び、減刑は国家の安全保障を損なう判断だと非難する声が上がっている。
オバマ大統領は17日、米統合参謀本部の副議長を務めたジェームズ・カートライト元海兵隊大将の恩赦も発表した。
元大将はイラン核施設へのサイバー攻撃をめぐる情報漏洩(ろうえい)事件の捜査で虚偽の供述をした罪を昨年10月に認め、検察が禁錮2年の実刑を求刑していた。弁護側は、元大将が新聞記者らに情報を提供した際、国益を損なう情報は公開しないよう説得していたことなどを指摘し、執行猶予を主張していた。
告発サイトに情報提供、元米兵が減刑に