不明マレーシア機、捜索打ち切り 家族から失望の声

2014年3月に消息を絶ったマレーシア航空370便

2017.01.17 Tue posted at 19:16 JST

香港(CNN) 2014年3月に消息を絶ったマレーシア航空370便の機体を捜索していた中国とオーストラリア、マレーシアの当局は17日、捜索を打ち切るとの共同声明を発表した。

声明は「科学の粋を尽くし、先端技術を駆使し、最も優秀な専門家に解析や助言を求めても機体を見つけることはできなかった」として、打ち切りは苦渋の決断であることを示唆した。

発表を受け、搭乗者の家族らの支援団体は「失望」を表明。「この段階で打ち切るのは無責任というしかない」と断じた。

不明機に母が乗っていたという男性は、捜索の範囲が間違っていた可能性を指摘し、捜索チームには「乗客や私たち親族だけでなく、全世界に答えを示す責任がある」と語った。

3カ国の当局は昨年7月、機体が沈んでいる可能性のある範囲として設定されていた12万平方メートルの海域の捜索が完了した時点で継続は断念するとの合意に達していた。

オーストラリア運輸安全局(ATSB)は昨年12月、この範囲の北東方向に広がる約2万5000平方キロの海域まで捜索を広げるべきだとする報告書を発表。しかし同国のチェスター・インフラ運輸相は、新たな証拠がない限り範囲は拡大しないとの方針を示していた。

不明機のものとみられる破片

同機は14年3月8日未明、クアラルンプールから北京へ向かう途中で交信が途絶えた。軍のレーダーによると本来のルートから大きく外れて西に大きく方向転換し、さらに南へそれてインド洋上空を飛行したとみられる。

昨年7月には、機長が自宅のコンピューターでこの経路とほぼ一致するフライトシミュレーションを行っていたことが確認された。

不明機のものとみられる破片の報告は、これまでにアフリカ沿岸部などから20件以上寄せられたものの、機体の大部分はまだ見つからないままだ。

ATSBは回収された翼の残骸を分析した結果として、機体が制御不能な状態で急降下したとの見方を示した。

機内での火災や気圧低下で乗員乗客が全員意識不明になり、機体がそのまま数時間飛び続けていたとの説も浮上したが、墜落原因のなぞは今も解けていない。

航空専門家のピーター・ゴールズ氏は昨年11月、CNNとのインタビューで「将来、海底を捜索する技術が飛躍的に進歩すれば機体は見つかるだろう。だがそれは何十年も先のことだ」と語った。

不明マレーシア機、捜索打ち切り

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