上位8人の富豪、下位50%の合計と同等の資産保有

富裕層トップ8人の資産の合計は4260億ドルに上るという

2017.01.16 Mon posted at 15:11 JST

ロンドン(CNNMoney) 世界で最も裕福な8人が、人口全体の下位50%を合わせた額と同じだけの資産を握っている――。国際非政府組織(NGO)オックスファムが15日、経済格差に関する今年の報告書を発表した。

それによると、トップ8人は米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏、メキシコの大富豪カルロス・スリム氏、米アマゾン最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏、米フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏、ファッションブランドZARAの創業者アマンシオ・オルテガ氏、米オラクル会長のラリー・エリソン氏、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏。資産の合計は4260億ドル(約48兆7000億円)に上る。

オックスファム・アメリカのポール・オブライエン副社長は、こうした経済格差のために「何百万人もの人々が貧困から抜け出せず、社会は引き裂かれ、政治にも害が及んでいる」と指摘する。

オックスファムは毎年、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に先立ち、米経済誌フォーブスの長者番付とスイスの金融大手クレディ・スイスの資産動向リポートに基づいた報告書を発表している。

2015年以降、富裕層の上位1%がそれ以外の人々より多くの富を独占する状態が続いているという。米国内では上位1%が富の42%を手にしている。

格差の拡大が一段と進んでいる現状が明らかに=CNNMONEY

WEFは4年前、社会の安定を脅かす主な要因として経済格差の拡大を挙げた。オックスファムによると、世界の指導者らは格差縮小を共通の目的として掲げているにもかかわらず、問題は深刻化する一方だ。

過去30年間で格差が拡大した国に住む人の数は、世界人口の7割を占める。また過去25年間にわたり、上位1%は下位50%の合計を上回る所得を手にしてきた。

報告書は「富裕層が豊かになれば富が全体にしたたり落ちる」とされる「トリクルダウン」理論に言及し、「所得と資産はしたたり落ちるどころか、驚くべき勢いで吸い上げられている」と警鐘を鳴らした。

さらに男女間の格差にも注目し、10億ドル以上の資産を持つ世界の億万長者1810人のうち、89%を男性が占めると指摘している。

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