(CNN) 米国のカーター国防長官は15日までに、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の最近の動向に触れ、潜伏場所をしきりに変えているが命運はもはや尽きており、排除は間近との見方を示した。
米の公共放送PBSとの会見で述べた。長官が同容疑者の末路についてこれほど断定的な表現で触れたのは異例。米国はISIS幹部に無人機攻撃などを仕掛け、抹殺を図っている。
カーター氏は同容疑者の余命は長くないのかとの質問に、「絶対に」と言明した。また、バグダディ容疑者の正確な居場所については「例え知っていたとしても明かさない」と返答。「彼はもう長くはない。あちこちに移動している」とも続けた。
ISISの動向に関する米政府の最新情報を知り得る立場にある米政府当局者は昨年末、CNNの取材に「過去数週間、同容疑者の一部の動きは把握している」と明かしていた。
バグダディ容疑者の潜伏先については、ISISが首都と称するシリア北部ラッカとするのが米政府当局者の間の通説となっていた。ただ、イラクのイスラム教シーア派率いる人民武装軍団(PMU)は11日、イラク北部モスルにいると指摘。同軍団の報道担当者は、バージ、アルカイラワン両町の間に潜んでいるとの情報を入手したと述べた。
米政府は先月16日、同容疑者捕捉(ほそく)につながる有力情報への報奨金をこれまでの1000万ドル(現在のレートで約11億5000万円)から2500万ドルに増額すると発表していた。
ISIS最高指導者の排除は「間近」