(CNN) 欧州人権裁判所は12日までに、イスラム教教義に反するとして娘2人を男女共学学校の水泳の授業に男子生徒と共に参加させることを拒否していたスイス居住のトルコ出身の夫婦の訴えを認めない判断を示した。
過去約10年にわたって続いていた法廷闘争で、両親は娘2人をスイス・バーゼルの学校の水泳の授業に加わらせることは欧州人権条約第9条に定められる思考、良心や信仰の自由に相反するものと主張していた。
人権裁判所は学校は社会的な統合を推進させる上で特別な役割を果たすとして両親の訴えを認めなかった。また、地元の習慣に従い子どもの社会統合を成功に導くとのスイスの政策上の目標は水泳の授業から娘を免除させることを望む両親の立場より優先されるべきだとも説いた。
今回の問題処理に当たって裁判所当局は両親に対し、水泳の授業への参加に当たっては顔と手足の先以外の全てが隠されるイスラム教徒の女性用の水着「ブルキニ」の着用を打診するなどの妥協案を提示してもいた。
両親は水泳の授業への参加を拒んだため2010年には1352米ドル相当の罰金も科せられていた。
ただ、娘2人が当時、思春期の年齢に達していた場合、少女に適用されるスイスの法律に基づき水泳の授業からの免除が可能となる資格もあった。娘2人は今年、16歳と18歳の誕生日を迎える予定。
両親と学校側の間の和解交渉も失敗し、両親により2度の上訴も退けられていた。欧州人権裁判所による今回の判断についても控訴出来る。